October 28, 2010

さ い は て



28才最後の日に見た景色。
風の音が今も耳に残る。

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生きることは破綻と再生の繰り返し。
ヤンソン氏は成長期のムーミン・トロールだけでなく大人たちにもその試練を与えていて、
その分け隔てのなさこそが彼女の生への誠実さを表している気がする。

「ムーミンパパ海へ行く」はムーミンシリーズ最終巻「ムーミン谷の十一月」のひとつ前の作品。
ただし「十一月」には一家は登場しないので、この「海へ行く」が実質最終巻といえる。
その最後の最後にして一家は家族としての臨界点をむかえ、楽園であるムーミン谷の家を離れ、
遠く離れた孤島の灯台に移り住むこととなる。 (ちなみに「十一月」ではこの一家の留守中の屋敷にムーミン達を訪ねて色んな人が集まってくるという同時進行的な話になっている。)
これまで理想の家族像であるように描かれてきたムーミン一家の破綻と再生は、
生きている限り私たちが絶えず変化し続けなくてはならない運命にあることや、
その度に自己や共同体は解体され、やがて新たな形を見出して再構築されていくことを教えてくれる。



誠実に、生を全うしたい。

October 14, 2010

ストレンジリ・ファミリア

私の本棚の大型本紹介しますコーナー、その2。
「STRANGELY FAMILIAR」 Michal Chelbin
わりと最近手に入れた写真集。




イスラエル、イングランド、ウクライナ、ロシアで撮影された写真。
私の中にある“移動サーカス”“ロマ、ジプシー”という類のものに対する
ぼんやりとした、それでいて偏った憧憬をくすぐる一冊。

調和のとれた美しさというのも神々しくてよいですが
この本に出てくる人々はみんな徹底してアンバランスで違和感だらけ。
でもそういう歪にこそ個人的な親しみを感じたりします。


撮影はイスラエル出身の女性写真家。
プロフィールによれば報道の経験もあるそうで、なるほど納得という感じ。
無名な人々を写したポートレートを見るのは異国の市場をさまよう楽しさに似ています。
唯一影響を受けたというAugust Sander の写真もそうなのですが、
人間という対象への時代や人種を超えた広い愛情があるのだなーと。
あまり好きな言葉ではないけれど一種の‘博愛’ というか。
また ‘瞬間’ に対して常に真摯だからこそ発揮される洞察力があるのかな、などと
ページを繰りながらぼんやりと思う秋の夜長。

October 3, 2010

秋到来で革恋し


最近買ったipodケース。カバーのハラコの手触りがお気に入り。
コレというのに出会えなくてずっと裸で使っていたのですが
ようやく服を着せてあげられました。
Diralという国産の革小物ブランドのです。
作りがしっかりしていて、革もいい質感で、価格も良心的。他のも色々かわいくて、
シルバーの箔加工のお財布で中あけるとカラフル~なやつ、
次あれ欲しいなあ。
秋だからなのか、革のものが急に愛しくなりだす季節・・・。
たぶんもうちょっとすると毛のものにそそられだす季節・・・。
♪♪♪
MUSIC/フジファブリック
せつなさMAXですな。