June 25, 2011

GREEN&GOLD、緑と黄金



終焉はいつも突然に
だけどエンドロールにはまだ早い
ギターケース抱えたまま真夏の川を泳ぐその時
キラキラの中

GREEN&GOLD/MO'SOME TONEBENDER


夏の心象風景はとても多層的
過ごした時間と忘れがたい思い出と手にすることが出来なかった憧れが
幾重にも折りかさなって複雑な映像を見せる
ひとつ夏を越える度に色を変え奥行きを成し
鬱蒼とした森に小さな心の振れが飲み込まれていくときの感覚と同化する

私は私にしか見えない景色とともに
まだ幾年の夏を旅し続けるのだろう



クライマックスはまだだよ
海へたどりつくまでは


June 7, 2011

伊豆熱海シリーズ その3













「山光荘」の続き

この宿を題材に漫画を描いたつげ義春氏のエッセイを読むと、当時(おそらく40年ほど前)廃屋同然になっていたこの建物を気に入って独力で旅館を開業したのが女将さんだということらしい
目を見張る美人だったというその女将さんに帰る間際になってようやく対面が叶った
ご隠居されていてもおかしくない年齢だったが、確認するまでもなくこの人だなとわかる佇まいで帳場に現れた

独特の雰囲気に気圧されつつお部屋もお料理も素晴らしかったと伝えると、ええそうでしょう、といった反応が返ってきた
なるほどこの宿がこの場所にあってこの値段でこの完成度である理由がよくわかった
庭木から醤油差しに至るまでこの女性の美学が表現されているのだ
実は部屋も料理も予約した内容と違っていたのだが、ここではそれもありなんだなと納得して帰途についた

June 2, 2011

伊豆熱海シリーズ その2












Ryokan SANKOSO in MATSUZAKI

西伊豆、松崎町の旅館「山光荘」
私たちが泊まったのはこの宿の象徴的な部屋「長八の間」で、蔵を改築した客室はメゾネット(という言葉はここの雰囲気にはあまりにもそぐわない表現だ...)になっていて、一階に食卓があり二階に寝具を敷く形式
狭い階段を上がるとまるで横溝正史の世界に迷い込んだかのような空間だった




夕食は魚づくし
海辺の町らしく、お造りと焼き物は地魚メイン
板前さんは70過ぎの方らしいのですが、にしては古臭さはなく、むしろ洗練されていた




旅行中は普段着とは違う服を選ぶ
左側は妹の、ミナペルホネンのかわいいドレス
右側が私の服で、母が昔着ていたという花柄のスカートを拝借