October 14, 2010

ストレンジリ・ファミリア

私の本棚の大型本紹介しますコーナー、その2。
「STRANGELY FAMILIAR」 Michal Chelbin
わりと最近手に入れた写真集。




イスラエル、イングランド、ウクライナ、ロシアで撮影された写真。
私の中にある“移動サーカス”“ロマ、ジプシー”という類のものに対する
ぼんやりとした、それでいて偏った憧憬をくすぐる一冊。

調和のとれた美しさというのも神々しくてよいですが
この本に出てくる人々はみんな徹底してアンバランスで違和感だらけ。
でもそういう歪にこそ個人的な親しみを感じたりします。


撮影はイスラエル出身の女性写真家。
プロフィールによれば報道の経験もあるそうで、なるほど納得という感じ。
無名な人々を写したポートレートを見るのは異国の市場をさまよう楽しさに似ています。
唯一影響を受けたというAugust Sander の写真もそうなのですが、
人間という対象への時代や人種を超えた広い愛情があるのだなーと。
あまり好きな言葉ではないけれど一種の‘博愛’ というか。
また ‘瞬間’ に対して常に真摯だからこそ発揮される洞察力があるのかな、などと
ページを繰りながらぼんやりと思う秋の夜長。

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